光触媒コーティング技術
(一般無機基材面向け)

PALTITAN SERIES
パルチタンシリーズ

Kyowa Original Report


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光触媒開発の経緯

光触媒の研究第一人者で世界的にも最先端を誇る、藤島教授にスポットを当ててみました。 光触媒とは何か。光触媒が生まれた経緯などに触れてみましょう。

光エネルギーで快適環境をつくる
東京大学工学部応用化学研究科教授 藤嶋昭(ふじしま あきら)さん


光を当てるだけで、汚れが落ち、バイ菌がつかず、さらに曇りもつかないという、一石三鳥のような研究。それが「光触媒」です。
東京大学工学部の藤嶋昭教授は、光触媒の研究では世界の最先端をいく研究者。
そもそも現在研究されている光触媒は、藤嶋教授が大学院生時代に発見した現象がもとになっています。
光触媒とは、酸化チタンに光を当てた時に起こる現象を、実際の生活に役立つように応用する研究です。酸化チタンに光が当たると、水を電気分解するという不思議な現象が起ります。この現象を今から25年前に当時大学院生だった藤嶋昭教授が発見しました。
藤嶋教授の実験は、酸化チタンと白金を電極にした回路をつくり、これを水槽に入れます。そこで酸化チタンに光を当てると、水が電気分解されて白金側から水素、酸化チタン側から酸素の気体が発生するというものです。
藤嶋教授は、はじめこの現象をエネルギー問題に生かせないかと考えました。 光を当てるだけで水素が取り出せるのなら、太陽電池や植物の光合成のように、ただでエネルギーを無限につくることができる、と考えたのでした。しかしこの目論見は失敗に終わりました。
エネルギー効率が低すぎて、実用化は不可能であることがわかったからです。 そこで、藤嶋教授は考え方を変えて、この水を電気分解するという現象を別の使い方ができないかと言う方向に研究のターゲットを絞っていきました。 注目したのは電気分解の途中で反応性の強い物質ができ、これによって有機物を分解できるということでした。 もう少し詳しくいうと、酸化チタンに光があたると光エネルギーによって酸化チタンの電子が奪われ、「正孔」が生じます。この「正孔」は電子を奪う力が強いため、表面に付着した水の電子を奪い、水は水素イオン(H)とヒドロキシラジカル(OH)に分解されます。このヒドロキシラジカルが活性酸素と呼ばれる反応性の強い物質で、そばにある有機物を片端から分解してしまうのです。
例えば極端な話、一匹のゴキブリを分解してしまったこともあるといいます。 この有機物ならなんでも分解してしまうという作用を生かして考えたのが、汚れのつかないタイルをつくるということです。タイルの表面に薄く酸化チタンをコーティングしておきます。すると汚れがついても、光が当たればそれは分解されてしまいます。これは細菌の場合も同様で抗菌タイルというのもあります。 こうした細菌がつかない、汚れが落ちるという点の需要は多く、タイルだけでなく、車の外板や空気清浄機のフィルターなど様々な商品に応用されています。
酸化チタンの光触媒作用には、もうひとつの特徴があります。それは、表面を「超親水性」という状態に保つ働きです。
「超親水性」とは、表面の水が水滴にならずに、ベッタリと広がるという性質。これが何の役に立つかといえば、曇らないガラス・鏡を作るのに役立ちます。そもそも曇りとは、ガラスや鏡の表面に小さな水滴が無数に付着して起こる現象です。しかしこの場合も、表面に酸化チタンをコーティングしておけば、超親水性になるため曇らないというわけです。 光触媒の応用研究は、まだ始まったばかりで、今後どんな使い方が生まれてくるのか、藤嶋教授自身もわからないという状況です。
藤嶋教授は、自分が生み出した光触媒が今後どのように成長していくのか、楽しみに見守りたいと考えているそうです。


光触媒コーティングの製品が多くのメーカーから販売されていますが、現在のところその性能はメーカーごとにまちまちです。
有機基材と無機基材に一つの材料で満足のいくコーティングができる製品はなかなかありません。メーカーごとや製品ごとに得て不得手があるようです。そこで弊社では、独自の評価を元に製品ごとの有効性や長所と短所を見極めながら選定を行っています。現段階では、用途ごとに最適な製品がわかってきました。現場の施工性・コスト・光触媒性能を鑑みて製品を御紹介しています。

パルチタンシリーズ(日本パーカライジング)
光触媒酸化チタン・コーティング剤

光触媒コーティング剤:パルチタンシリーズ

パルチタンシリーズは、二酸化チタン光触媒を応用した新しい機能性コーティング剤です。パルチタンには、汎用クリヤータイプ(PTI−5600シリーズ)と環境浄化用白色タイプ(PTI−6000シリーズ)があり、各種用途に対応することが出来ます。

  1. 中性で安全な水系光触媒コーティング剤です。独自製法により酸化チタン粒子に安定なマイナス電荷を付与、従来困難とされてきた中性でも安定な無色の中性ゾル化を実現しています。腐食性の有害イオンを含まない為、基材や塗装機器を錆びさせず作業環境が改善されます。
  2. コーティング前処理技術やプライマーコート技術により金属・セラミック・プラスチック・塗装面など各種基材への対応が可能です。
  3. パルチタンは、シリーズの中から防汚・抗菌・NOx除去・脱臭などを目的とする用途に最適のコーティング剤がお選びいただけます。

パルチタンシリーズの汚れ防止効果

二酸化チタンは、化粧品・白色ペイントなど、私たちの身近で使われているセラミックの一種です。この二酸化チタンは本来水に濡れやすい物質ですが、パルチタンの主成分である二酸化チタン粒子は超微粒子で表面積が大きく、表面に多くのOH基を持ちます。これに水分が結合することによって優れた親水性を発揮します。
また、この二酸化チタンは太陽光などに含まれる紫外線があたると触媒作用を発揮し、吸着した水や酸素分子を活性化して汚れや環境汚染物質を酸化分解する力を持っています。特にパルチタン5600は、シリカなどのバインダー類を含みません。そのため、高純度の二酸化チタン光触媒による高い光触媒活性と優れた親水性との相乗効果に清浄な表面を長期にわたって維持することが出来るのです。

パルチタン5600シリーズ

PTI−5600シリーズは、同社が独自に開発した機能膜プロセス製法(特許出願中)により超微粒子二酸化チタン光触媒を中性で安定な水系ゾル型コーティング剤としたものです。アモルファス酸化チタン粒子が結合剤として働くため、他のバインダー成分を必要としません。透明で密着性の良いコーティング膜を得ることが可能で、基材の腐食や活性低下の心配がないため汚れ防止や抗菌性の付与など幅広い用途に使用できます。

 

パルチタン処理ガラスの防曇性と親水化の様子。
左側が無処理面・右側が施工面。完璧な親水化を実現しています。

パルチタンの抗菌能力

パルチタンシリーズをコーティングした表面は、紫外線があたると酸化力を生じ殺菌作用を示します。MRSAや大腸菌など、ブラックライト下で2〜3時間、蛍光灯程度の弱い紫外線でも24時間程度で高い滅菌率が得られます。

試験結果 (単位:個/ml)
試験菌名 試験試料 試験開始前 24時間後 滅菌率
大腸菌 対照アルミ 8.7×104 2.4×106 -
対菌アルミ 8.7×104 <100 99.9%以上
大腸菌 対照ステンレス 7.8×104 2.7×106 -
対菌ステンレス(1コート) 7.8×104 <100 99.9%以上
対菌ステンレス(2コート) 7.8×104 <100 99.9%以上

パルチタン光触媒溶液5603

パルチタン5603

コメント
安定した水系ゾルの光触媒コーティング剤の中で抜群の作業性と光触媒活性の高さが特徴の同製品は、弊社では無機基材向け製品と位置付けています。現段階では、同製品のアンダーコート剤が高価なことと、まだ材料研究の余地が残されている為です。従ってアンダーコートを必要としない無機基材には最適の製品と言えるので、あえてビストレイターとパルチタンの用途分けを行っています。

パルチタンシリーズは弊社で施工販売しております。
施工及び販売など詳しくは、弊社にお問い合わせ下さいませ。


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