Waterproofing

Kyowa Original Report

屋根や屋上・ベランダに使用される防水工法の種類と特徴

積層型熱工法(従来型熱アス工法)

最も古典的な防水工法です。アスファルト(固形物)熱で溶かして使用します。長所と短所があります。

長所

  1. 施工上の失敗が少なく、防水層の均質性が高い。
  2. 防水の目的や用途に応じて、対応する防水層の構成を設定しやすい。
  3. 厚みのある積層工法のため、下地面の仕上げが比較的ラフで良い。

短所

  1. アスファルトを溶解釜で溶かす熱工法である為、溶解時に発生する煙、悪臭は大気汚染の原因となり、公害・近所迷惑となる場合があります。
  2. 積層工法である為の欠点として工数が多いので、施工のスピードが劣り職人不足の現在の社会情勢に合わない。
  3. 物性適に下地の亀裂に対する追従性が小さいという事と、高温・低温によって物性が変化します。

常温工法(積層型アスファルト防水常温工法・アスファルト系シート防水型・アスファルト系塗膜防水型)

積層型アスファルト防水常温工法

加熱溶融したアスファルトコンパウンドの代りに常温のアスファルト系充填接着剤を使用し、ルーフィングと交互に積層していく方法です。

ゴム化アスファルト系シート防水型

合成繊維の原反にゴム化アスファルトを含浸塗布したもの、あるいは、ゴム化アスファルトのみをシート状に成型したものを接着剤又は熱により下地に貼り付けていく方法です。この防水型で最近増えてきた工法にはトーチ工法があります。
(トーチ工法の特徴)
石油アスファルトをベースに、合成ゴム(エラスチック・ポリマー)か合成樹脂(プラスチック・ポリマー)を用いて改質したコンパウンドをシートロール状に工場生産した改質アスファルトシートを専用のトーチバーナーで施工します。

アスファルト系塗膜防水型

一般にゴム・アスファルトをエマルジョン化した製品で液状の材料をゴムべラによる塗布や、吹付機による吹付けで形成します。

塗膜防水材

ウレタンゴム系

イソシアネート基を持ったウレタンゴム化合物を主な原料とします。主剤と硬化剤に別れた2液型と1液型が有ります。

アクリルゴム系

アクリレートを主な原料とする非加硫アクリルゴムと充填剤などを配合したアクリルゴムエマルジョン系の防水材で、多少湿った下地でも使用が出来ます。

クロロプレンゴム系

クロロプレンを主な原料として充填剤を配合したクロロプレンゴム系防水材で、溶剤型です。

アクリル樹脂系

アクリレート、メタクリレートを主な原料とするアクリル樹脂エマルジョン系防水材です。

ゴムアスファルト系

アスファルトとゴムを主な原料とするゴムアスファルトエマルジョン系防水材です。

FRP防水

液状の軟質不飽和ポリエステル樹脂をガラス繊維や不織布などに含浸させながら、塗布硬化させる事で積層強化された皮膜防水層を形成する工法です。

以上の塗膜防水材についての一般的な特徴は以下のようになります。

長所

  1. 塗るだけで施工できるため大掛かりな設備機器を必要とせず、工程が少なく省力化が出来ます。
  2. 現場で皮膜形成させるため下地の形状が複雑でも施工が出来ます。
  3. 調色可能である。

短所

  1. 現場での塗膜形成は、必ずしも均一な膜厚を確保できない。
  2. 下地の不陸に影響される。下地の精度をある程度要求する。

シート防水材

加硫ゴム系

合成ゴム(EPDM・IIR)を主原料とし軟化剤・加硫剤を配合したシートで、感温性が小さく耐疲労性を特徴とします。

非加硫ゴム系

原料ゴム(非加硫)に補強剤・老化防止剤等を配合したシートで、シート同士の接着性の良さを特徴とします。

違いは、原料とするゴムが加硫されたものか否かです。

塩化ビニール樹脂系

塩ビ自体の特性から優れた耐候性と着色性が特徴です。意匠効果の高い防水層が得られます。

エチレン酢酸ビニル樹脂系

湿潤下地に施工可能で、工期の短縮がはかれます。火気や有機溶剤を必要としないため室内の施行にも向いています。

セメント系防水材

モルタル防水

モルタルに無機・有機の混和材料を混入し、吸水・透水に対する抵抗を高めることによって防水性能を持たせた「防水モルタル」をコテで下地コンクリートに10〜20mm厚に塗付する工法です。

コンクリート防水・躯体防水

コンクリートそのものに防水性能を持たせる混和剤を混入して打設後特別な防水施工を必要としない工法。

防水材使用の目安

住宅

陸屋根

常温・熱アス・塗膜・シート・セメント系

勾配屋根

シート・セメント系

ベランダ

トーチ・塗膜・シート・セメント系・FRP

内部

塗膜(アクリル)・セメント系

地下部

塗膜(アクリル)・セメント系

ビル・マンション・工場も同じ。上記は大体の目安です。


代表的な塗床材の種類と特性・用途
種類 主な特徴 主な用途
エポキシ系 強力な接着力を有し、耐薬品性に
優れる。硬化後に強靭な皮膜を形成し、
耐摩耗性に優れる。
一般床・耐薬品床(化学工場・実験室・厨房等)
補強用耐久床・防滑床(工場・道路・駐車場等)
ポリウレタン系 弾力性に富み、バリエーションの広い
工法が取れる。耐摩耗性にも優れる。
防塵床・弾力床・耐摩耗床(体育館・病院・学校
事務所・保育園・遊技場等)
ポリエステル系 極めて優れた耐酸性を有している。 耐水床・耐薬品床(化学工場・実験室)
クロロプレン系 弾力性及び防滑性に優れる。 弾力・耐摩耗床(一般床・体育館)

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